Lloyd’s Antiques

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ロイズ・アンティークス エゴイスト 2026.10.29

Marco Zanusoの金字塔。機能美と工業化が融合した「SLEEP-O-MATIC」の魅力

リビングの主役となるソファを選ぶとき、デザイン性だけでなく「実用性」をどこまで求めるかは永遠のテーマと言えるでしょう。

今回ご紹介するのは、1954年に巨匠Marco Zanusoが家具ブランド「arflex」のためにデザインした名作、「SLEEP-O-MATIC」です。


Marco Zanusoといえば、なんといっても1951年にデザインされた名作「Lady Armchair」が彼のアイコン的な存在であります。


その数年後に発表されたこちらのプロダクトも、素晴らしい逸品です。


名前に「MATIC(自動・機械的)」と冠されている通り、簡単な操作でソファからベッドへとトランスフォームする、まさにミッドセンチュリー・イタリアの工業デザインを象徴するソファベッドです。



第二次世界大戦後の1950年代、イタリア都市部では集合住宅の建設が進み、限られたスペースを有効に使う家具へのニーズが一気に高まりました。


こういった住環境の変化が一つのデザインアプローチになる事は、どこの国でも見られ、学生寮のスペースを効率よく使用する事が起点になった、ウェグナーのデイベット、GE258にも通じる思考があります。




ザヌーゾが着目したのは、「昼はくつろぎのソファ、夜は快適なベッド」という一台二役の合理性。単に背もたれを倒すだけの簡易ベッドではなく、日常使いに耐えうる本格的な寝心地と、リビングの美観を損なわないモダンな佇まいの両立を目指して開発されました。



SLEEP-O-MATICには3つの魅力があると言えます。

1つ目は無駄を削ぎ落としたミニマルデザイン。

直線を基調とした端正なプロポーションと、細身のスチール脚。変形機構を持つ家具にありがちな「機械っぽさ」や野暮ったさを感じさせず、どんな現代インテリアにも馴染む普遍的な美しさを備えています。


2つ目は新素材が生み出す軽快なフォルムと座り心地。

従来の木枠とスプリングによる重厚な作りではなく、アルフレックスの代名詞である成形ウレタンフォームと金属フレームを採用。内部構造を合理化したことで、薄くシャープなシルエットと優れたクッション性を両立しています。



そして3つ目は直感的で画期的な可動ギミック。

座面を手前に少し引き上げるだけで、スムーズにフラットなマットレスへと展開する独自のメカニズムを搭載。大掛かりな力を使わずに変形できる設計は、当時の家具業界に大きな驚きを与えた事でしょう。



実際に動かして見ると、大きなシートが意図も簡単にスライドし、難なく展開する事が出来ます。


※クッションを外します。

※手前に引き出します。


そのギミックの詳しく見ていくと、堅牢なフレームの上をローラーがコロッと回転し前進することで、

シートが移動することが分かります。




レールをスライドするタイプとは全く違った発想であり、容易に扱える最大のポイントとなっております。

そんな、SLEEP-O-MATICはその革新的な機構と完成度の高い工業デザインが評価され、発表の翌年である1955年に権威の高いインダストリアル・デザイン賞である「コンパッソ・ドーロ賞」を受賞しました。


※シートのサイズは、大凡W2000mm×D720mm


展開時も実に美しく、金属製のフレームのインダストリアルな雰囲気と、エレガントなディテールの組み合わせがなんともいえません…。


家具を「職人の手仕事」から「工業製品」へと昇華させたザヌーゾの手腕が、もっとも色濃く反映されたプロダクトの一つです。



そんな逸品ですが、なかなか国内で目にすることは難しいアイテムであります。

是非、実物を御覧いただき、完成されたデザイン、そしてギミックをご体感頂ければ幸いです。


尚、こちらのアイテムは、ロイズ・アンティークスEGOISTにて開催される企画展にて、

販売開始とさせて頂いております。

詳細は以下よりご確認下さいませ。

皆様のご来店、お問い合わせをお待ち申し上げております。


PARALLELS ―並走する二つのモダニズム。南の工場と北の工房―

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