HANS OLSEN

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北欧家具の黄金期において、独創的な視点と実験的な試みで異彩を放ったデンマークのデザイナー、ハンス・オルセン。彼は機能主義を基盤としながらも、彫刻のような造形美と遊び心を融合させた稀代のクリエイターです。

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オルセンは、デンマークデザインの父コーア・クリントのもとで家具製作の基礎を学び、1953年に自身の設計事務所を設立しました。当時のデザイン界は、クリントが提唱した「人間工学に基づく規範」が主流でしたが、オルセンはその厳格な伝統を重んじつつも、フォルムにおいてより自由で軽やかな表現を追求しました。彼の哲学を象徴する最も有名な作品が、1952年に発表されたダイニングセットです。こちらは、円形テーブルの幕板に椅子の背もたれが隙間なく収まるよう設計されており、収納時には椅子が完全に消えたかのような一体感を生み出します。これは「空間の効率化」と「視覚的な調和」を同時に解決した画期的なアイデアであり、現代の都市生活における省スペース家具の先駆けともいえる名作です。また、オルセンは素材の可能性を追求する探求者でもありました。チーク材などの天然木を用いながら、当時最先端だった成形合板(プライウッド)の技術を駆使し、薄くしなやかな曲線美を実現しました。彼の椅子に見られる、身体を包み込むような有機的なラインは、視覚的な軽やかさと、長時間座っても疲れにくい実用性を両立させています。代表作には他にも、背もたれの傾斜が美しい「モデル500」ラウンジチェアや、洗練されたデイベッドなどがあり、いずれも360度どこから見ても隙のないプロポーションが特徴です。ハンス・オルセンは、同時代の巨匠ハンス・J・ウェグナーらに比べると、かつては知る人ぞ知る存在でした。しかし、限られた空間を豊かに彩る彼の機能美は、現代において再評価の波が高まっており、ヴィンテージ市場だけでなく、現在はWARM NORDIC社によりいくつかのモデルが復刻され、愛され続けています。彼の作品は、時代を経ても色褪せないモダンデザインの真髄を今に伝えています。

Buyer's Comment

無数の家具に触れる買付のプロセスの中でも、彼の特徴的なデザインは光るものがあり、思わず目に留まる魅力があります。格好良さと、軽快な可愛らしさが混在したような雰囲気は、大きな特徴といえるのではないでしょうか。また、安楽性や機能性といった面に関しても素晴らしく、日々使い込んでいく家具として、末永く性生活に寄り添ってくれる事でしょう。プロダクトの印象を活かすような、ファブリックカラーをセレクトし、日本の職人によって丁寧に修復されます。

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