Lloyd’s Antiques

Journal

ロイズ・アンティークス エゴイスト 2025.12.05

Buyer's Select Collection by EGOIST

ロイズ・アンティークス EGOISTでは、「Buyer's Select Collection by EGOIST」と題し、

バイヤーが心惹かれたアイテムを厳選し、 ロイズ・アンティークス エゴイストにて展示販売いたします。

デザイナーズアイテムのマスターピースから、アノニマスでありながらも意匠を感じる家具達をセレクトしました。

是非、ご来店頂き、実際に家具の雰囲気や存在感を楽しんで頂ければと思います。

※企画詳細はこちらを御覧ください。

 

さて、今回のJournalでは、デンマークデザインの巨匠、ボーエ・モーエンセンの代表的なプロダクトである「スパニッシュダイニングチェア」にフォーカスを当てます。

 

以前のJournalでもアーム付きのプロダクトをご紹介致しましたが、

この度アームなしのモデルと共に展開致しますので、改めてご紹介させてください。

 

スパニッシュチェアといえば、モーエンセンのアイコン的なモデルであり、

シートの低いイージーチェアをイメージされる事も多いかと思います。

 

スペイン旅行の際に伝統的なレザーチェアからインスピレーションを受け、

それを「リ・デザイン」して生まれたというのは有名な話です。

 

 

今回のダイニングチェアに関しては、イージーチェアが1958年に発表されますが、それよりも以前の1951年にデザインされておりました。

 

 

力強い肉厚なレザーと、堅牢でソリッドな質感が際立つオーク材の質感が、ヴィンテージピースらしい奥深い存在感を表現しております。

 

今回、この2タイプを展開することになりましたが、実は同じ買付での仕入れでなく、時期としては別々の渡航の際でした。

 

先にアームなしの個体を4脚買い付けたのですが、広いディーラーの倉庫を訪問している際、巨大なラックの上に載っているこのチェアを見つけたときの高揚感は今でも忘れられません。

実際、見つけたとしてもパーツが変えられていたり、レザーが大きく破れていたりと、コンディションの面で諦めざるを得ない場合も多くあり、この時も恐る恐る状態確認をしていたのを覚えております。

 

幸いな事に、レザーの破れ等の破損はなく、フレームも大きなダメージがないことが確認できましたが、1点、2枚のレザーを縫製している糸の殆どが切れて、口を開けているような状態になっており、現場での判断が難しかった為、写真を撮り日本の職人へ連絡。

 


※実際の写真

なんとか修復できるだろうという判断だった為、買付に至りました。

 

そして日本に届いたチェアは、難しく、根気のいる作業を経て、見事に修復されました。

 

飾り物でなく、あくまで使用に耐えうる家具として提案する事が、私達の根底にあります。

それはどのようなプロダクトに対しても同じであり、買付して終わりでなく、その後の修復まで含めて、初めて家具としての存在がが成り立つと思っております。

ですので、このような確認は必須でありました。

 

さて、その数ヶ月後の渡航によって出会うことになるのがアーム付きのモデル。

既にアームなしは買い付けておりましたので、見つけた時は運命的なものを感じました。

偶然、連続で出会えるという事実はかなり稀です。

 

アーム付きのモデルはより存在感と安楽性があり、

ダイニングチェアとイージーチェアのいいとこ取りといったところでしょうか。

 

アームなしのしっとりと飴色になったレザーとは対象的に、

退色し、枯れた雰囲気になったレザーがなんとも格好良く、

スパニッシュチェアの力強くタフなイメージと合致しているかと思います。

 

1脚でも空間に映え、一生物のチェアと言えるのではないでしょうか。

 

実に様々な偶然とプロセスを経て、この度、一堂に展開されたスパニッシュダイニングチェア。

 

家具もまさか70年後に日本で展示されるとは思っていなかった事でしょう。

是非、これまでのバックグランドに思いを馳せながら、座ってみて下さい。

 

 

※その他のバイヤーズセレクトアイテムはこちらを御覧ください。

 

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