オランダを代表するミッドセンチュリー期のデザイナー、
ケース・ブラークマン(Cees Braakman、1917年 - 1995年)。
彼はオランダの家具メーカー「PASTOE社」のチーフデザイナーとしての活躍し、
アメリカ視察で影響を受けたイームズチェアに着想を得て制作された
ワイヤーコレクションや、日本建築に影響を受けたジャパニーズ・シリーズなど
後世に残る作品を残しています
今回はその中でも「FT30」が入荷致しましたのでご紹介します。
この作品はオランダ特有の工業的デザインとは一線を画したデザイン。
直線的なダッチヴィンテージとは離れ、北欧デザインを踏襲したとも言えるシルエット。
身体を包んでくれる丸みのあるエッグ型のシート。
そして腰の部分(座面との間)に空間を作ることで、視覚的な重圧感をなくしています。


このデザインの背景には当時のオランダの住環境が強く影響しています。
1950年代のオランダは戦後の復興期にあり、住宅が狭小化していました。
それまでのヨーロッパの重厚な家具では部屋がさらに狭く見えてしまうため、
ブラークマンは「視線が抜けるデザイン(空間を広く見せる工夫)」を追求しました。
このFT30の背もたれと座面の間にぽっかりと空いた空間は、単なるデザインではなく、当時の切実な
住宅事情に応える機能的なアプローチでもあるのです。
余白の美学をチェアデザインに落とし込んだブラークマン。
我々日本人に通ずるシンパシーのようなものを感じますね。


有機的で丸みのあるボディに対し、直線的でシャープな木製の脚部。
そして何より、ファブリックのアーム部分に「ちょこん」と乗せられた無垢材のアームレストにも惹かれます。
360度どの角度から見ても美しく、特に斜め後ろから見た時の、脚のハの字の開き具合と背もたれのカーブが作るフォルムは、一つの展示作品のような佇まいです。

Cees Braakman アームチェア (QM006513)
ブラークマンはアメリカのイームズに強い影響を受けましたが、
彼が手掛けたFT30には、冷たい工業製品のような印象はありません。
温かみのある木製脚とアームレスト、そして体を優しく包み込むファブリック。無駄を削ぎ落としながらも人の手に馴染む、
ダッチ・デザインの真髄がここにあるのです。
「家具は単なる外観以上のものでなければならない」
- Cees Braakman -
ご購入の際は、WEB決済でお支払いも承っております。
LINEやメール、お電話等でご連絡くださいませ。
《ロイズ・アンティークス 青山》
東京都渋谷区神宮前3-1-30
Tel 03-5413-3666
Mail aoyama@lloyds-antiques.com







