Lloyd’s Antiques

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ロイズ・アンティークス 日本橋三越 2025.08.26

物語を宿すアンティーク家具

厳しい暑さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

そんな厳しい暑さも忘れさせてくれるノスタルジアなアンティーク家具のご紹介です

 

まずは、優雅な曲線と華やかな装飾が目を引く、こちらのキャビネット。

一見すると英国のヴィクトリアン様式に見えますが実はフランスで作られたものです。

19世紀、産業革命で国力を増したイギリスでは、ヴィクトリア女王の治世のもと、

豪華で装飾的な「ヴィクトリアン様式」が花開きました。

その影響は海を越え、フランスにも波及します。

フランスの家具職人は、英国の重厚なスタイルに、自国の伝統である「ロココ様式」の優美な曲線を融合させました。

このキャビネットに見られる、しなやかな猫脚や繊細な象嵌細工、

そしてブロンズの装飾は、まさにフランスならではのエレガンス。

英国とフランス、二つの国の様式が美しく混ざり合った、稀有な魅力を持つ逸品です。

時代を超えて受け継がれてきた「職人たちの誇り」、

両国の文化が織りなす「歴史のストーリー」を、是非、ご覧ください。

 


続いては木目が美しい、こちらのカバードチェスト。

一見するとシンプルなデザインですが、

細部に英国アンティークの歴史が詰まっています。

チェスト(引出し収納)に扉が付いた「カバードチェスト」は、

19世紀半ば以降、ヴィクトリア朝のイギリスで人気を博しました。

産業革命によって中流階級が台頭し、彼らが求めたのは、実用性と美しさを兼ね備えた家具でした。

そして、このチェストの大きな特徴は、華やかな木目です。

これは「バール(瘤杢)」と呼ばれるもので、希少な木材から生まれるこの独特な模様は、当時の人々の富と美意識を象徴しています。

また、真鍮製の取っ手や鍵穴の装飾も、さりげない華やかさを添えています。


単なる収納家具ではなく、人々の暮らしや文化、

そして技術の進化を物語る「生きた歴史」としての存在感を放つこのチェストを、

あなたの暮らしのパートナーに迎えてみませんか。

 

 

そして最後にご紹介するのは、こちらのビューローブックケース。

20世紀初頭にイギリスで花開いた「エドワーディアン様式」を象徴する一品です。

ヴィクトリア女王の長きにわたる治世が終わり、

エドワード7世の時代が到来すると、家具のデザインは、

重厚で装飾的だったヴィクトリアン様式から一転、より軽やかで実用的なものへと変化しました。

このビューローブックケースは、まさにその時代の特徴をよく表しています。

マホガニー材の持つ美しい木目を活かしたシンプルなデザイン。

扉の幾何学的な格子は、アール・ヌーヴォーの影響も感じさせる軽やかさ。

そして、下部のビューロー(ライティングビューロー)は、デスクと収納を兼ね備えた、実用性を重視する時代のニーズに応えたものです。

歴史の流れと共に変化したデザインと、

当時の人々の暮らしに寄り添った機能性が見事に融合した、このエドワーディアン様式の家具。

書斎やリビングに置けば、知的で落ち着いた空間を演出してくれることでしょう。

 











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