アンティークやヴィンテージのテーブルの中には、実に多くの伸長式の機能を備えたものが存在します。
当時の都市部の住環境は、決して広いといえるものではなく、
そのような背景も、伸長式のテーブルが多く作製された一因とも言えるでしょう。
今回はそのような形が変わる折り畳みテーブルを3点ご紹介いたします。
100年も前に造られたことを考えると、更に興味が湧くのではないでしょうか。
折り込まれた2枚のリーフをゲート(門扉)のように開き脚で支えるテーブルで、
16世紀後半に登場した、アンティークの定番とも言えるアイテムです。
ゲートレッグテーブルといえば、ツイストレッグが有名ですが、
脚元のデザインは平滑で、貫が一本の非常に珍しいデザインをしています。
天板の繋ぎ目部分もぴったりで、細かなところにも職人の技が詰め込まれています。
折り畳んだ状態は、従来のゲートレッグテーブルと比べて幅が短く、機能的とも言えるでしょう。
天板はシンプルながらも上質な雰囲気を感じ取ることが出来ます。
マホガニー材の美しい色合いと、繊細な杢目を存分に楽しめる逸品です。
19世紀、 ヴィクトリア女王の親友にして女官長でもあったサザーランド公爵夫人が注文し、
作らせたことがこの名前の由来とされているテーブルです。
ゲートレッグテーブルのリバイバルとして制作されたもので、
現在では流通量が少なく、とても希少なアンティークアイテムとされています。
当時は、メイドさんが朝食やお茶の時間のためにお部屋に持ち運んでセッティングしていたんだとか。
折り畳んで運べるエレガントなテーブルは、婦人たちのささやかな楽しみの時間に重宝したことでしょう。
素材の贅沢さが内面から溢れ出るかのように、美しい杢目を活かすデザイン。
縁周りの象嵌で引き締め、角を取ることで柔らかな印象を与えます。
壁際に置いて、使うときだけ天板の片側を広げて。
空間を有効に利用できるため、スペースに余裕のないお部屋にもお薦めです。
細くすらりとした脚のラインは、空間を一気に格上げして上品な空間に魅せてくれます。
家具として使わなくても「見せる」テーブルとして。
お家の顔になる玄関でお客さまをお迎えする家具として、季節のお花と一緒に飾るのも素敵ですね。
アンティークテーブルの中でも、非常に少ない縦面に割れて伸張するサプライズドテーブル。
代表的なものに、左右に「羽」が広がるドローリーフテーブルがありますが、
こちらのテーブルは、金具を引っ張ることで、
中央から内部に折りたたまれた天板がポップアップし、拡張する構造。
閉じている状態で、奥行き610mmと、コンソールテーブルや、デスク代わりとして重宝するサイズです。
このサイズバランスは、ドローリーフタイプにはほぼ存在しておらず、より使用の幅が広がることでしょう。
オーク材の杢目が美しく映え、しっかりと彫られた彫刻デザインは、重厚な質感を纏います。
日常生活で使い込んでいきたいテーブルです。
形を変える様々なテーブル。
生活スタイルに合うデザインを探してみてはいかがでしょうか。
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