
黒色のアンティーク家具はそう多くはありません。
木材の家具が主流だった時代は
どうしても重厚感のある空間になりがちで
重い印象を受けやすかったのです。
色のある綺羅びやかな装飾も
容易には施せない時代。
黒い家具はあまり生産されて
いなかったのかもしれません。

今回ご紹介するこちらのヴィクトリアンチェアは
今から約150年前の1860年代(推定)に
作られたアイテムです。

イギリスが力を誇示していた最盛期の頃、
オリエンタル文化の流行から金彩装飾や黒を基調とした
家具や日用装飾品が多くの職人によって作られました。
こちらもその一つで、素材はアンティークでも珍しい
紙を粘土質のもので固めたペーパーマッシュなる素材が
使われています。見る角度によって色を変える
淡い色合いが大変美しいです。

後に張替えられた座面のケインシートが
程よくデザインバランスにマッチしています。
漆黒のフレームを最大限に生かした
空間にスパイスを加えるドレッシーなチェア。
飾り椅子としてお部屋に加えてみては
いかがでしょう。


今後も素敵な住環境でお過ごしください。