Lloyd’s Antiques

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ロイズ・アンティークス 日本橋三越 2025.05.21

美と時を纏う

アンティーク家具は、「時間の芸術品」

世の中のものは時間によって変化し、さらには劣化していくものですが、

アンティーク家具はより多くの時を纏うことで美しく格式ある雰囲気が生まれます。

 

年代物の中でもひときわ興味深い代物がございます。

シノワズリの世界をご存知でしょうか。

ヨーロッパで流行した中国趣味の美術様式を意味するフランス語に由来。

(仏: chinoiserie)

 

17世紀中頃、貴族や富裕層の間で話題になり、

家具や陶磁器、シルバーなど様々なものに用いられていました。

現在でも、海外限定品などは誰もが手にできるものではないというのと同じ様に、

当時も富の象徴としての役割もあったそうです。

 

こちらのスピニングチェアには、座面、背もたれとびっしりと細かな装飾が施され、

彫刻細工とは一味違う華やかさが感じられます。

シノワズリもそうですが、

スピニングチェアもあまり聞き馴染みのない言葉ではないでしょうか。

糸を紡ぐ時に使用されていたチェアです。

 

スピニング(spinning)=紡績

作業の際に腕を前後に動かすため、

邪魔にならないよう背もたれが細くなっています。

 

また、結婚などのお祝い品としてプレゼントする場合もあるため、

背もたれにハート型のくり抜きであったり、

植物の華やかな彫刻が施されている物も多いです。

 

長い時間をかけて現代までやってきた家具たちは、

これからもじっくりと時間をかけて熟成されていくことでしょう。

シノワズリスピニングチェア(QH003310)

 

   
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