Lloyd’s Antiques

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ロイズ・アンティークス 福岡岩田屋 2023.11.08

ホールスタンドについて考える

国内では馴染みがない故に、
よく「これはなに?」と質問頂くことが多い家具がホールスタンド。

この「ホール」は主に玄関先を指しています。
日本では多くが靴を収納する箱型の家具が付けられていることが多く、
一方で室内で靴を脱がない欧米諸国では玄関先にホールスタンドが置かれています。

歴史を知り、当時の使用感に物思いにふけて使用するにも、
玄関が広くないからと敬遠しがちなホールスタンドですが、
置ける空間があるのであればぜひ一考する価値のある便利な家具です。

今回はロイズ・アンティークス 福岡岩田屋にある
オススメのホールスタンドを用いて、その魅力について触れていきます。

ホールスタンド(IQ001018)
Size: W1160 mm D345 mm H1960 mm / 465 mm

オーク材の飴色な木目がとても魅力的な一台です。
サイズ上は大きいですが圧迫感がありません。
その点についても後述していきます。

天板が横に伸びているデザインのため横幅が大きくなっていますが、
ここ以外の横幅は910mm のサイズです。

ホールスタンドは基本的に、お出かけ直前に身だしなみを整えるためのもの。

中央のミラーは想像の通り、外出前に顔を確認するために使用されています。
ミラーの中央が約1600mm の高さにあるため
大人の方ならそのまま見ることが出来ると思います。

ただ、様々な方に合わせて角度を調整することが出来るためご安心ください。

ミラーの周囲には大小異なるフックが付いています。

帽子や外套を身に着けて外出することが主流になった時代、
19世紀頃からホールスタンドは人気を博して作られるようになりました。
これらのフックはそんな外套や帽子をかけるためのものです。

外套は下のフックに、その上の長いフックには帽子をかけ、
ミラー側のフックには外套の汚れなどを払うブラシなどを
引っ掛けていたのではないでしょうか。
ちなみに一番上のフックはどちらかが折れてしまい、
同じ長さに合わせたものだと考えられます。

これらのすぐ下には物を置けるラックが付いています。
お出かけ前に振りかける香水や身につけるアクセサリーを置いたり、
ディスプレイ台としてホールスタンドを彩ってみるのもオススメです。

下には当時、紳士の身だしなみでマストだったステッキを立てかける空間。
英国紳士には欠かせない正装(帽子・外套・ステッキ)が、
ホールスタンドひとつにまとめることができます。

もちろん傘立てとしても使用が可能ですが、
濡れた状態の傘を立てかけると塗装が色移りする可能性があるため、
乾いた傘を収めるようご注意ください。

鉄製の底は取り外しが可能です。
ゴミが溜まってしまった場合は、外して捨てることができます。

ホールスタンドには無いものも多いですが、
こちらは腰掛けるベンチが付いています。

欧州では特に靴を脱ぐ土間がないため紐を結びなおすために、
ホールに椅子を置くことが多いようです。
そういった背景がありホールチェアという飾り椅子があります。


玄関先に座れる椅子をお探しという声は多くあります。
しかし椅子は奥行きがあるものが多く、動線を潰していまうこともあります。
しかしホールスタンドは奥行きが浅いものが多いため、
このようなベンチタイプがかえって動線を確保しやすかったりしますので大変便利です。

複数の用途があるベンチとして、実はとても便利なものがホールスタンドなのです。

鋲でリボン型にデザインされたような装飾も良いアクセントですね。

また、座れるだけはなくシートを持ち上げると、
330mm ほど深さのある収納空間があります。

掃除用品や撥水スプレーなど玄関先で必要な細々した用品を
一手に収納できる便利な場所です。

デザイン面で見てみるとこちらはバーリーツイストという彫り装飾が
シンボル的に使われいます。

バーリーは大麦を指し、その麦を使ったねじり飴の存在から、
このようなデザイン名で呼ばれています。
アンティーク好きにはファンも多い、ポピュラーな装飾です。


さらに、こちらは全体的に壁が見えるよう抜けた空間を意図して作られています。
壁面が見えるよう作られたこのシルエットのおかげで抜け感が生まれ、
圧迫感が無くすっきりとお部屋に溶け込ませることが出来ます。

脚元に注目してみると、背面はご覧ように一部抜けた空間があります。
これは現代の内装でも非常に多い巾木と呼ばれる装飾を避けて、
壁にぴったりとつける事が出来るよう設計されているためです。
また現代的な事情を考えればコンセント口との距離をとることが出来るため、
そういった点でも大変便利な仕様と言えます。

アンティークでは他の家具にも度々見ることがある考えられた工夫です。
アンティーク家具をお持ちの方はぜひ自分の家具にもあるかご注目してみてください。

いかがでしたでしょうか。
欧州のライフスタイルに沿って作られた便利なホールスタンド。
これ以外にもホールスタンドは多数のサイズ感・種類がございます。
間取りに合わせてぜひご自宅にぴったりなものを見つけてみてください。

19世紀後半、アーツ・アンド・クラフツ時期には
タイルが張られた可愛らしいデザインのものも見ることが出来ますよ。


他にも、大きなラックやミラーが不必要な場合は
ホールシートという家具もオススメです。
玄関先にチェアをお探しの方はぜひこちらもご一考ください。


気になった方はぜひロイズ・アンティークス 福岡岩田屋へお立ち寄りください。
皆様のご来店心よりお待ちしております。

《ロイズ・アンティークス 福岡岩田屋》

〒810-8680 福岡県福岡市中央区天神2-5-35
岩田屋本店 新館B2F

IWATAYA B2F,
2-5-35, Tenjin, Chuo-ku, Fukuoka-shi, Fukuoka-ken, Japan

TEL 092-721-1111(代表)

iwataya@lloyds-antiques.com

 

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