Lloyd’s Antiques

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ロイズ・アンティークス 青山 2025.08.26

Classical Curve

柔らかくカーブを描くフォルム。
手間や労力を要するのは、容易に想像できる形や技工。

アンティーク家具には、そうした惜しみない労力を注ぎ込まれた逸品が
数多く存在します。


そのなかでも【キドニー】と言われる
 家具全体が曲線のみで作られたこのフォルムは、 
文字通り【腎臓】を意味しています。
 

この曲線は、座った際に作業者がデスクに囲まれるような形になり、 
身体にフィットし、使いやすさを考慮したデザインとされています。

主に18世紀後半から19世紀にかけてのイギリスで人気を博しました。
  
この時期は、優美で洗練されたデザインが好まれたジョージアン様式や、 
リージェンシー様式の影響が強く見られます。
 
デスクの素材は、深みのある色合いと豊かな木目が特徴のウォルナット。

マホガニーと並び、ヨーロッパの高級家具材として重用されてきたウォルナットは、
「木の宝石」とも称される美しい光沢と、
使い込むほどに深みを増す独特の経年変化が魅力です。

取手や鍵穴の金具には、真鍮が使われています。
単なる機能部品ではなく、家具の様式を象徴する装飾要素として
家具全体の格調を高めています。

また、品格が感じられるレザートップ。
単なる見た目豪華さだけでなく、
実用としての明確な意味を持っていました。

本革は適度な弾力性を持つため、
筆記の際にペン先が滑りすぎず、
心地よく文字を綴れるよう設計された実用的な機能美を兼ね備えています。


周囲に施されたギルディング装飾は、
家具全体を一層引き立て、特別な存在へと昇華させています。
まるで品格とストーリーをまとわせる、
魔法のようなアクセントです。
 
 
 
レザートップキドニーデスク】の詳細はこちら
 
《ロイズ・アンティークス 青山》
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