Lloyd’s Antiques

Journal

ロイズ・アンティークス ファクトリー 2022.06.07

"Antique=Sustainable" リサイクル素材を用いたプロダクト

ロイズ・アンティークスがお送りするサステナブル企画。
"Antique=Sustainable"
計4回のジャーナル配信を通して、私達のサステナブルに関してメッセージを発信していきます。
 
 
 
2回目の今回は、「リサイクル素材を用いたプロダクトに関して」をお送り致します。
 
約1年前、サステナブルへの取り組みを強化しようと決めた際、
家具の輸送や出荷に伴う梱包材や、
お持ち帰りの際にお使い頂くショッピングバックなどの見直しからスタートしました。
 
 
 
梱包材は製造工程においてのCO2排出量を、34%カットのエコ素材に変更。
 
 
ショッピングバックは、FSC認証を得たものを採用致しました。
 
 
また、お使いの家具を長く使って頂く為に、
家具用WAXのリフィル(詰替え)販売もスタート。
 
 
様々な見直しの中、
アンティークの修復工程において不可欠な張替え生地に関しても、
新たなプロダクトの導入を模索して参りました。
 
 
 
現在、ヨーロッパのメーカーの生地を、
一部のプロダクトに採用しております。
 
 
 
ペットボトルから再生される糸を使用しているこちらの生地。
製品そのものの環境評価と共に、
社会面、科学面への貢献度にて審査される、
GRS認証(Global Recycled Standard)
を受けている生地です。
 
 
もちろん、張り地としての強度試験など、
様々な評価基準をクリアしており、
機能性と、環境貢献面を両立させた生地と言えるでしょう。
 
 
また、上質なスウェードを思わせる質感は実に滑らかで、
まるでリサイクル生地とは思えないような仕上がりです。
 
 
当然ながら、修復工程において
ビンテージ家具オリジナルの魅力が失われてしまってはいけません。
 
 
 
生地の選定において、
私達が目指すスタイルや、クオリティにマッチするのかが、
一番大きな課題でありました。
 
 
張替えのレストアラーの感想では、
通常の生地と比べても遜色無く、
ヨーロッパメーカーならではの発色の良さは魅力の一つとのこと。
 
 
「リサイクル生地」と聞くと、
どこかクオリティ面は劣るのでは無いか?
というイメージは、今後払拭されて行くことでしょう。
 
 
私達にとっても、今回の生地の導入は、
新たな考え方に繋がるよい機会となったのでした。
 
 
また近年、生地メーカーの製品には、
その後のお手入れの事を考えられたプロダクトも度々目にします。
  
例えば、汚れた時は、水拭きをするだけで汚れを除去する事が出来る生地。
 クリーニングする際、洗剤の使用を不要にすることで、
環境に配慮したアプローチです。
 
ロイズ・アンティークスでは、これからも、
リサイクル生地の導入を積極的に進めて参ります。
 
 
そして先日、廃棄予定のデニムを使用した
プロダクトを作製した事も、私達にとって、
新たなアンティークの可能性を感じた機会となりました。
 
 
「アンティーク×デニム」
皆様はどのようなイメージを抱くでしょうか。
 
今回はイタリアのリプロダクトチェアを含め、
英国、フランスのアンティークを張り替えました。
 
どれも大変個性的なプロダクトに仕上がりましたが、
その中でも特にキャラクター性を放つのが、
エドウォーディアン期のスクリーンを張り替えたこちらの一台。
 
 
様々なデニムがパッチワークのように張り合わされ、
唯一無二のスタイルに仕上がりました。
 
 
もはや、家具という枠を飛び出したアート作品のようですね。
 
今回の作製にあたっては、
まず、使用するデニム選びから始まりました。
 
無数のデニムがストックされている倉庫へ何度も通い、
その中からイメージにあったデニムをピックアップしていきます。
 
 
ダメージ感や、色合いをチェックするのと同時に、
仕上がりの際のポケットやパッチの位置など、
完成形もイメージをしながらの、
大変難しい選定作業です。
 
 
まさに星の数ほどあるデニムの中から選び抜かれたものは、
弊社の張替え職人の元へ。
 
 
そこで、さらに綿密なイメージの摺合せが繰り返されます。
 
まるで、真っ白なキャンバスに、
いちからアートを描いていくような、
根気のいる工程です。
 
 
そしてそれらを忠実に再現していく縫製作業。
形も歪なデニムを、張り地として用いるには、
職人の高い技術が不可欠であることは、容易に想像できますね。
完成度の高さを求めるため、
デニム地のみ繋ぎ合わせるのではなく、
下地になる生地を用意し、
それをベースに張り合わせていく手法を取りました。
大変手間の掛かる作業ではありますが、
全体に均等にテンションが掛かり、
美しい仕上がりになるのです。
可能な限り、「デニムパンツ」感を活かす為、
ポケットなど機能はそのまま。
実物を見てみると、とても立体感があり、
生地一つ一つのギャップがとてもユニークです。
こうして、職人の高い技術により、
唯一無二のプロダクトが完成したのでした。
 
 
 さて、今回はリサイクル生地の観点から、
ロイズ・アンティークスの取り組みをご紹介させて頂きました。
  
これらのプロセスを通して感じたことは、
プロダクトの付加価値を高める事の重要性。
 
伝統を重んじつつも、
アンティークやビンテージ家具を、新たなスタイルとして
昇華させていく事。
これからの私達の役割として、
大切にしていきたいと思います。
 
次回、第3回目は6/10(金)配信予定。
テーマは「アンティークがアンティークになる理由」です。
是非、そちらも併せてご覧くださいませ。
 
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