Journal
ロイズ・アンティークス 神戸 2017.07.25
ペルシャラグの魅力
本日ご紹介するのはペルシャラグ(NT019107)です。
イスラム世界での芸術文化は宗教的な理由により、生物の描写はしません。
その代わりに、カリグラフィなどの抽象的な装飾のある織物や陶器の分野が大きな発展を遂げたのです。
ペルシャラグは生まれてから少なくとも3000年は確実に経過していると言われています。
しかし、いつどこで発祥したのか、具体的な起源はいまだ明らかにはなっていません。
芸術性と高級さを兼ね備えた絹織はその後、王侯家族に愛され、贈答品として世界中に広まっていきます。
ちなみに、日本には遣唐使によって持ち込まれたそうです。
またペルシャラグにはもう一つ大きな魅力があります。
それは「結び」です。
すべて職人の手作業によって作られペルシャラグは1㎠あたりの結びが非常に細かく、
ラグの中では世界一と言っても過言ではありません。
結びが細かいということはそれだけ手間がかかっており、品質も高いということになります。
これがペルシャラグの品質が確かな理由です。
神戸に入荷したペルシャラグはカシャーンという地域のものです。
品質が高く長持ちすることに定評があり、地元の人々からも信頼が厚いそうです。
硬めのウールの毛並みは踏みしめられることで味が出るため、
使うほどにその魅力を増していきます。
こちらはメダリオンと呼ばれるペルシャラグによく見られるデザインです。
鮮やかな色と細やかな模様に思わず見とれてしまいます。
結びの密度も高く、確かに末永く使えるでしょう。
細やかな職人のこだわりによって生み出されたペルシャラグ。
アンティークと共に経年変化を楽しんでみてはいかがでしょうか。
Tags: