そのためベントウッドと言えば「THONET」といった印象が強く持たれております。しかし、実は他にもライバルメーカーが存在していたこと皆様はご存知でしょうか？ 今回は、知名度は低いけれどもアンティークのベントウッドチェアには度々顔を出すライバルメーカー3社をご紹介いたします！
一つ目は「Mundus」です。
Mundus（ムンダス）社は、19世紀末から20世紀初頭に設立されたオーストリア（ウィーン）国籍の企業です。
オーストリア、ハンガリー帝国のブダペストやチェコスロバキアなどいくつもの場所に工場を持ち、商品の製造を行っておりました。
1914年にJJコーン社と合併し「Mundus and J.J.Kohn」となります。
二つ目は「Fischel」です。
Fischel（フィッシェル）社は、THONET社が曲げ木椅子の特許期間を終える翌年の1871年からベントウッドチェアの生産を始めた企業になります。
ロイズの入荷するベントウッドチェアにもFischel社のステッカーが度々顔を出します。
三つ目は「JJ Kohn」です。
正式名称はJacob and Josef Kohn（ヤコブ・ヨゼフ・コーン）社と呼び、ジェイコブ・コーンと息子のヨセフ・コーンが、1849年に設立した企業となります。
当時、オーストリアやハンガリーの主要な家具メーカーを担っており、現在ではニューヨークの近代美術館をはじめ、多くの博物館で彼らの作品を見ることができます。
1914年、Mundus社を吸収し「Mundus and J.J.Kohn」となり、THONET社の一番の競合他社となっておりました。
こちらは「Mundus and J.J.Kohn」のタグです。
こちらの3社は、THONET社の曲げ木加工技術の特許が切れた1870年代以降に設立され、この頃からベントウッドのマーケットは過当競争時代を迎えました。
そんな競争時代の中、1923年にMundus and J.J.Kohn社はTHONET社に吸収されてしまいます。そのため、僅か9年間しか製造されなかったMundus and J.J.Kohn社のベントウッドチェアは大変貴重なものといえますね。
ロイズ・アンティークス新宿に入荷しましたベントウッドチェアにもメーカーのタグが貼られておりましたのでご紹介いたします！
こちらのナーシングチェアには「Fischel」のタグがございました。
タグが残っているものも少ないながら、ベントウッドで作られたナーシングチェアは大変珍しいものですのでぜひいかがでしょうか？
続いてはこちらのアームチェアです。こちらには「Mundus and J.J.Kohn」のタグがございます。
こちらのアームチェアは、座面部分が回転式になっております。デスクに合わせて使ってみてはいかがでしょう？
僅か9年間しか製造されなかった「Mundus and J.J.Kohn」のものとなりますので、極めて数の少ない物になるかと思います。ベントウッドコレクター必見です！
最後はこちらのキッズチェアです。こちらも「Fischel」のタグがございました。
座面には女の子とお花が描かれており大変かわいらしいですね！そして裏面にはこんなものがございました。
1929年のクリスマスプレゼントのようですね！「ママからジェニーへ」ととってもかわいらしいメッセージが残されておりました。
メーカーのタグや当時のメッセージなど、見た目のデザイン以外にも楽しめるポイントがございますので、これからはベントウッドを見つけた際はぜひ裏底を覗いてみてください！
いかがでしたでしょうか？
今年のロイズ・アンティークスのGWイベントは、「I LOVE BENTWOOD」と題して今までにない珍しいベントウッドシリーズをご用意させていただきました！期間は4月26日(土)～5月6日(火)の11日間となります。
ロイズ・アンティークス新宿も上記のお品物以外にもたくさんのベントウッドシリーズをご用意しておりますので、ぜひこのGWは伊勢丹本館5階へどうぞ！
皆様のお越しを心よりお待ちしております。
このGW期間は毎日ベントウッドに関する内容を皆様へお届けしております！
明日は横浜店より「ヨーロッパのカフェ文化 -ベントウッドチェアのある風景-」をお送りいたしますので、皆様ぜひお楽しみくださいませ。
それではロイズ・アンティークス横浜の皆様、よろしくお願いいたします！
